第五章



とはいえ、まとまって付けていてはさすがに怪しいし、店員に睨まれ兼ねない。

仕方なく、分担して見張ることになった。


「大丈夫でしょうか……」

野菜コーナー担当見張り、リンク。

現在は野菜が積まれた箱の影に隠れ、子供達を見張っている。そんなことにも気付かず、ピチカはメモを取り出して。

「えーと」

読みにくい字については特に気にならないのか、ピチカはさらりと読み上げる。

「しんじん?」

早速だった。

恐らくは平仮名で書いた人参。

雑すぎるが故に“に”が分離して“し”と“こ”になったのだろうが、“こ”は何処へ。リンクは思わず、頭を抱えて。

「新人? 後輩が増えんのか?」
「ばーか。年上かもじゃん」

残念ながら人じゃないんですけどね。

リンクの心の訴えも虚しく、子供達は解決するべく近くにいた店員の元へ。
 
 
23/67ページ
スキ