第五章
とはいえ、まとまって付けていてはさすがに怪しいし、店員に睨まれ兼ねない。
仕方なく、分担して見張ることになった。
「大丈夫でしょうか……」
野菜コーナー担当見張り、リンク。
現在は野菜が積まれた箱の影に隠れ、子供達を見張っている。そんなことにも気付かず、ピチカはメモを取り出して。
「えーと」
読みにくい字については特に気にならないのか、ピチカはさらりと読み上げる。
「しんじん?」
早速だった。
恐らくは平仮名で書いた人参。
雑すぎるが故に“に”が分離して“し”と“こ”になったのだろうが、“こ”は何処へ。リンクは思わず、頭を抱えて。
「新人? 後輩が増えんのか?」
「ばーか。年上かもじゃん」
残念ながら人じゃないんですけどね。
リンクの心の訴えも虚しく、子供達は解決するべく近くにいた店員の元へ。