第五章
「メモをフォックスに書かせたぁ!?」
ドンキーは思わず声を上げて。
「……はい」
「せや、けど。お前っ……リム! ピチカにメモ渡しとったんやん!」
子供達が出かける直前、ピチカにメモを渡したのはリムだ。あの時は、リムが書いたものだと思って咎めはしなかったが。
「だから、あのメモをフォックスが書いたのよ。他の人も何かいるかもしれないからって……聞いて回ってメモしてくれたの」
ドンキーは頭を抱えて、溜め息。
――どうして、こんな反応を示すのか。
実はフォックス、年齢の割に字がお世辞にも綺麗とは言えない。そりゃあまあ読めなくはないが、読みづらいのは確か。
それによる読み間違いが必ずないとは言い切れない。……それが問題なのである。
「つまり」
リオンはぐっと拳を握り、
「ストーカー続行、だな!」
「人聞きの悪いこと言うな!」
すかさず、ドンキーが突っ込んだ。