第五章
――その頃。
「お疲れ様です。どうでした?」
ようやく戻ってきたユウに、リンクは早速、何がどうなったのかを訊ねて。
「いや。私の出る幕ではなかったな」
「ふむ……ショタ強姦をただ黙って見ていたと。それはなかなかの鬼畜プレ」
強制終了。ただ、今回リオンを黙らせたのはユウではなくドンキーであったが。
「何があったん?」
リオンがこれ以上何も言わないよう地面に捩じ伏せてしまいながら、ドンキーは事情を訊ねる。すると、ユウはじっとドンキーの顔を見つめて。――そういえば。
あの男も同じ、関西弁を話していたな。
「な、なんや……?」
「もしやっ、この私を差し置いて恋をっ」
「阿呆ゆーな」
視線に気付いたドンキーが不思議がって思わず力を緩めると、リオンはすかさず顔を上げて。ドンキーは首後ろに肘打ち。
「……いや」
ユウはふいとそっぽを向いて。
「何でもない。行くぞ」
子供達が歩き出したのを見て、ユウはさっさと追いかける。ドンキーは首を傾げて。
「俺、何かした?」
疑問符が飛び交う中、ドンキーの真下でリオンがぴくぴくと小刻みに震えていた。