第五章
ディディーは公園にあるトイレの入り口まで来ると、男を振り返って。
「ほらここ。じゃあな」
子供達の元へ帰ろうとしたのも束の間、その手はガシッと掴まれて。思わず、傘を落とした隙にトイレの中へ連れられる。
「うわっ」
男は何故だか黙っている。
今更ながら不気味に感じて、ディディーはトイレの洗面所前に放られると、よろめきながら壁に両手を付き、振り返り。
「な、何すんだよおっさん……」
あれでは駄目だ。
相手を余計に興奮させるだけ……ユウは溜め息、入り口から中の様子を窺って。
「いやね。坊や、優しいからおじさんちょっと良いモノをあげようと思ってね」
そこで男は何故かベルトに手を掛け、外し始める。肝心のディディーは、まさか自分がこんな目に遭うと思ってもみなかったのだろう。事態に気付き、硬直していて。