第五章



「しっかたねーなぁ」

ディディーは仕方なさそうに息を吐き出すと、トゥーンに地図を預けて。続いてピチカの傘の中に移動し、柄を掴んで。

「わりぃけど、傘貸してくれっか?」
「いいよー」

ピチカはにこりと笑って、トゥーンの傘の中へ。ディディーは一度男を振り返ると、ついてこいとばかりに先を歩き出して。

「警戒心皆無やん。保護者出てこーい」
「貴方でしょう」

リンクはすかさず突っ込んで。

「何で警戒しないのかしら」
「私が不審者の例えにこいつを使ったからな。恐らく、それが原因だろう」

ユウがリオンを指差すと、他三人は揃って納得。確かに、中身だけを見れば彼以上の変質者などこの世に存在するだろうか。

「責任重大だ。私が見てこよう」

とにかく、ディディーの身が危ない。

ユウは溜め息を吐き出すと、木陰やベンチの影に隠れながら公園にあるトイレへ向かった二人の後を、急ぎ足で追いかけた。
 
 
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