第五章
「阿呆らし。問題なく回避やな」
ドンキーが笑ったのも束の間。
「よしっ。俺に任せとけ!」
「何でやねん!」
ディディーが乗り気で承諾。
思わず水溜まり目掛けずっこけるドンキーだったが、すぐに起き上がって。
「いつもながら華麗なるオーバーリアクション、ありがとうございます」
にこやかに礼を述べるリンクに、
「おおきに。……言うとる場合やないわ」
ハンカチで濡れた髪や顔を拭いながら目を見張るドンキー。ディディーはきょろきょろと辺りを見回した後、公園を見つけて。
「ほら! あっちに公園あんだろ?」
「んー、どれだい?」
「あれだって」
「おじさん、目が悪くてねぇ」
サングラスを外せ。
「ちょっと案内してくれるかい?」
いよいよ王道パターン突入。今すぐにでも飛び出してやりたいが、そんなことをすれば尾行していたことがバレてしまう。
そうなれば。……子供達のことだ、自分は信用されてないんだと拗ねてしまうはず。