第五章
ピットが本当に純粋で天然なのは認める。
負けず劣らず、子供達だって。元々警戒心なんて皆無な奴らだ。飴をあげるからこっちにおいで、なんて誘われたら……
誘拐事件勃発。
「って考えすぎですからね」
現在に戻り、先を歩く子供達に気付かれないよう、後を追いかける保護者五人。
「真っ先に飛び出しとったやんか」
気付かれそうになる度、物陰や見知らぬ人間を装って誤魔化す。ドンキーは電柱に添って真っ直ぐ体を伸ばし、隠れて。
「それでも俺だけで十分でした」
自販機の影に隠れ、リンク。
「よしなさいよ。こうなったらちゃんと買い物が出来るかどうか、見届けなきゃ」
自販機の前に立って飲み物を選ぶふりをしながら、リム。近くに停められたトラックの影に隠れながら、リオンは。
「誘拐……ロリショタだらけのAV撮影会が始まったら……私は……私はっ!」
「誰や不審者連れてきたん」
「……すまない」
ユウ、頭を抱えつつ謝罪。