第五章



ざあざあと降り頻る雨の中、抹茶色の雨合羽を着た男が電柱から顔を出した。

「……全く」

その男、後ろを振り返って。

「何で付いてきたんですか」

男の正体はリンクだった。

そしてリンクが振り向いたその先には、桃色の雨合羽を着たリム、茶色の雨合羽を着たドンキーが苦笑を浮かべていて。

「仕方ないじゃない……貴方だって、子供だけじゃ不安だから付けてきたんでしょ」
「言いっこ無し。お互い様やん」

口々に返す二人に溜め息を吐き出し、リンクは向かい側の電柱を見つめる。

「貴様らでは不安が募る一方だからな」
「ほ、保護者として当然だ……っ」

向かい側の電柱から顔を覗かせるのは薄紫色の雨合羽を着たユウと、何故か不適に息を弾ませる藍色の雨合羽を着たリオンの姿。リンクはジト目になって。

「そちらの方は何を興奮してるのですか」
「私達に雨合羽は似合わないからな」

リオンは頬を赤らめ笑っている。

「ギャップ萌えってヤツね」
「分からんやっちゃな……」
 
 
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