第一章
きっと、楽しい一週間になる。
朝、見渡しただけでも疲れが抜け切っていない者が多いのだ。一週間、何処かでバカンスなんて聞いたらどんな反応をするか。
「……待てよ?」
一人浮かれている自分に申し訳ないのだが、ルーティはふと、嫌な予感がして。
――彼らは戦士だ。ああやって疲れ切った顔をしておきながら、本当はただ単純に仕事を楽しんでいるのかもしれない。
それなのに、勝手に一週間の休暇を取っちゃいましたなんて、そんな身勝手なこと。
「ど、どうしよう」
「何がだ」
今更罪悪感に襲われて、頭を抱えて苦悩するルーティを横目に、ウルフは呆れて。
そりゃお前はいいだろうよ、とルーティはウルフを見遣る。……ええい、いい加減にしないか! しっかりしろ、自分!
躊躇わず、いざって時は迷わず行動だ!