第四章
「だからおにぃ、海の方行ったんだぁ」
ピチカはうんうんと頷き、納得。
「どういうことだ?」
「やー、砂浜が熱いから海に飛び込んだのかと思ったけど、違ったみたい」
疑問符を浮かべるフォックスに対し、頭の後ろで手を組みながらへらへらと笑って答えるローナ。フォックスは続けて、
「それで、ルーティは?」
「あっち」
再び、タブーが答えて海方面を指差す。
「それは分かったから」
フォックスは溜め息。
「そういやおにぃ……」
ピチカ、徐々に青ざめながら。
「戻ってきて……ないかも……」
暫しの沈黙。
「何ぃぃ!?」
誰もが揃って声を上げた。
「ルーティ、戻っとらへんのか!?」
「そういえば見かけませんね」
慌てるドンキーに、リンクは眉を顰めながら海方面を見遣る。――嫌な予感がした。