第四章



フォックスとファルコは共にタブーが指差す方向を見遣り、顔を見合わせる。

「あっちって……」
「海……」

はっと再び海方面を向いて、

「海ぃ!?」

マスター、腰に右手を当てながら。

「なるほど」
「っじゃねーよ! そいつはてめえの飼ってるペットだろうが! 責任取りやが」
「待てファルコ。ここは俺に」

呑気に感心している様子のマスターを勢いよく指差して、声を荒げるファルコの肩をぽんと叩き、止めたのはフォックス。

此処は公共の場。フォックスのことだ、やはり大人らしく話を解決して――

「男は昔から拳で語り合うと聞く……」
「いや落ち着けぇぇ!」

指を鳴らし、割とマジな表情でタブーに歩み寄ろうとするフォックスを、今度はファルコが必死になって捕まえ、留めて。

「離せファルコ!」
「や、気持ちは分かるけどよ」
「あぁー」

声を揃えたのはピチカとローナである。
 
 
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