第四章
「別にいいって許可してくれただろ?」
「へえ。そういう言い方」
にこやかに答えるフォックスに苛立ち、踏み出すクレイジーだったがマスターがぽんと肩を叩き、前に出てきて。
「っ兄さん!」
「クレイジー。約束は約束だ」
そう言って、タブーを見遣る。
「……ん?」
しかし、タブーの首には掛けられているはずのペンダントが無い。マスターは溜め息を吐き出し、クレイジーを振り返る。
「クレイジー……」
「ずっと一緒に居ましたけど」
あまり機嫌が宜しくないクレイジーは、ぷいとそっぽを向き、鼻を鳴らして。
「どういうことだ」
「てめえ、図ったな!」
睨み付けるフォックスとファルコ。
もちろんマスターに心当たりなどあるはずもなく、やれやれと頭を掻いて。
するとタブーが。
「あっち」
海方面を指差して。
「は……」
「だから。ペンダントは、あっち」