第四章



「んんっ!」

ずきんと右足の付け根が痛み、続けざまに左足の膨ら脛が張って両足が機能しなくなった。ルーティは自らの足に触れて。

「ん……っ」

痛い。このままでは息が続かず、溺れてしまう。ルーティはぎゅっと瞼を瞑り。

「ふ、ぅ……ごふっ……!」

遂に息を吐き出し、開いた口から海水が侵入してきた。――原因、分かったよ。


僕、準備運動してなかった……


そんなこともいざ知らず、砂浜では。

「よしっ!」

フォックスによるスパイクが見事に決まり、十点目。長かったビーチバレー対決も、めでたく勝利で幕を閉じた。

「ていうか」

クレイジーはフォックスを指差して。

「炎纏ったボール飛んできたんだけど!」

後半、それはそれは酷い戦いで。

ネスやリュカが手伝うのでボールが氷を纏ったり、炎を纏ったりと散々……マスターやクレイジーも敵わず、ストレート負け。
 
 
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