第四章
クレイジー、舌打ちをして。
――ユウだけを抑えたところで、あっちに何人異能力者がいると思ってるんだ!
「いいよ。別に」
溜め息を吐き出すクレイジーに、フォックスは影の差した黒い笑みを浮かべて。
「そうか? なら遠慮なく」
どす黒い。
「だっ大丈夫かなぁ……」
フォックスが敵チームを挑発しているように見えて、ルーティは心配そうで。
「しんぱい?」
「あはは……、うん。本当は君が個人的に返してくれればいいんだけど」
見上げるタブーに、ルーティは苦笑を浮かべる。タブーは首に掛けていたペンダントを見つめていたが、不意に外すと。
「えっ」
海に向かって――投げ付けた。
「ええええええっ!?」