第四章
「ルール違反だろうが!」
確かに、片腕が無い二人ではタブーによるサポートが無ければ、完敗していたのかもしれない。だから、負けたくないからといって魔法による遠隔操作に頼るのは……
「何がいけないと言うんだ?」
「んだとぉ!?」
何も悪びれた様子もなく、寧ろ見下げたような態度のマスターに、ファルコはいよいよ腹の虫が治まらない様子。
それはフォックスも同じだったが、ここはぐっと堪え、マスターを睨み付けて。
「特殊能力の使用は禁止のはずだろ」
「ああ、その通りだ。……だが、サポートを受けてはならないとは言っていない」
確かに言ってないけど!
「いいんだよ? こっちの負けでも」
クレイジーは挑発的に。
「その代わり、兄さんは正しいことを言ったんだしぃ。そこまで取り戻したいってなら、お遊びはここまでかなぁ……?」