第四章
「お、おにぃ……っ」
ピチカは思わず、ルーティの腕に抱きついて。――なんとボールは、ルーティの目前でふわふわと浮遊していたのである。
まさか、ユウが? そう思ってルーティは視線を送るが、目が合ったユウの瞳は金色ではなく、いつも通りの紫色で。
「あっ」
そうこうしている間にボールはふわふわと浮遊しながら、タブーの目の前へ。
すっと、ボールを手に取ると。
「だいじょうぶ?」
「う、うん」
「馬鹿っ、タブー! 何ボール止めてんだよ!」
「ルーティはたいせつだから、だめ」
「何だよそれ!」
クレイジーはお怒りのご様子。
どうやら今まで、タブーが魔法でボールを操作していたらしい。だから、いきなり連続して点を入れることが出来るように……
「ズルじゃねえか!」
「まあまあ」
相手の策が分かった途端、声を荒げるファルコをとりあえず宥めるフォックス。