第四章
最初は余裕綽々だったフォックスも、ここまでくると焦ってくる。何せ、賭けているのは大切な友人の形見なのだ。
「……フォックス」
「俺はさっきから手を抜いていない」
一瞬疑ったファルコだったが、振り返らない辺り、彼は本気。ファルコはゆっくりと息を吐き出すと、ボールを宙に放って。
「兄さん」
一方、既に六点を奪っている神様チームではこんなことを話していた。
「ん?」
「打ったボールが相手の顔面に当たったら、それってイン? アウト?」
マスターは少し考えてから、
「……イン、じゃないか?」
するとクレイジー、にやりと笑って。
「じゃあ、次は僕に決めさせてよ――」
ファルコのサーブ。
手慣れた様子でクレイジーはボールをトス、打ち上がったボールをマスターがアタック。が、すかさずファルコがトス。