第四章
クレイジーははっと笑って。
「何それ。二点取られたからって疑うわけぇ? 四点も取ってるくせにさぁ」
それを言われてしまうと言い返せない。
まあ確かに二点だけだし。どんな遊びにせよ、やってれば慣れてくるんだから……
「いいじゃないか、ファルコ」
フォックスはボールを拾って、
「俺も少し手を抜いていたし」
原因はお前か。
投げ渡されたボールを受け取り、ファルコは安心したように一息。――わざとならいいが、何を賭けてんのか忘れんなよ。
「次からは手ぇ抜くの禁止だからな」
「了解」
一応念を押すファルコに、フォックスは心配性だなとくすくす笑いながらも承諾。
「ったく」
――こうなったらこの後からは連勝して、圧倒的点差を付けさせてやる!
なんて密かに意気込みながら、次からは簡単に点を取って圧勝できるものだと、ファルコだけでなくフォックスも思っていた。