第四章
「さっさと片付けようぜ」
「分かってる」
二人がそう話している間に、クレイジーのサーブ。今度も見易いボールなので、ファルコはふっと笑いボールを追った。
――しかし、次の瞬間。
「なっ」
ボールはファルコを躱すようにして、勢いよくコートに叩き付けられたのだ。
一点を奪われ、ファルコは呆然。だって確かに、あのボールは取れていたはずだった……それなのに、間に合わなかった。
「気にするなよ、ファルコ」
フォックスはファルコの肩をぽんと叩いては励ます。ファルコは少し動揺しながらも頷き、ボールを取りに向かって。
「あんなボールに点取られんなよー」
「わりぃわりぃ」
ロイにからかわれ、ファルコは小さく笑ってボールを手に取る。――いきなり速くなったような気もしたが、気のせいか。
ともあれ点を奪われたので、今度は此方の先制。ファルコは早々にボールを構えた。