第四章



位置はマスターとフォックスが前衛、クレイジーとファルコが後衛から始まった。

「せぇー、のっ」

掛け声を合図にクレイジーはボールを宙に放り、サーブ。見易い速度のボールに、後衛のファルコがレシーブ。

「フォックス!」

ファルコが声を上げると、フォックスがすかさずトス。ネット前まで駆け寄ったファルコは高く飛び上がり、コートの確認。

……なるほど、そこまで馬鹿じゃないらしい。前衛のマスターはネット付近に拘らず、コートの中間辺りで構えている。

後衛のクレイジーは自身が右腕を持っていない為、そこを狙われないようにコートの右側に寄って構えていた。

「喰らえ!」

手前、左側に狙いを定める。

打ち上がったボールをスパイクで相手のコートへ。駆け出すマスターだったが、左腕を持たない彼にとっては厳しい一撃……
 
 
11/50ページ
スキ