第四章
――というわけで。
「取り戻せ、友情の証! 神技満載、ビーチバレー対決ぅ!」
ローナが勢いよく拳を振り上げると、拍手が沸き上がって。マスターとクレイジーに挑むのは、フォックスとファルコ。
「何や姿が見えん思うとったら、こないなことなっとったんやな」
「でも兄ちゃん、相手……」
遅れてやって来たドンキーとディディーは、相手がマスターとクレイジーということに驚いたらしく、目を丸くして。
「まあ、驚きますよね」
ちょうど彼らの隣にいたのはリンクである。ドンキーは腕を組んで。
「不公平ちゃう?」
ぽつりと呟くドンキー。
――確かに、彼の言う通り、ビーチバレー対決に置いて片腕ずつしかないマスターとクレイジーは明らかに不利だ。
「そうでしょうか」
リンクはマスターとクレイジーを睨んで。
「何か……匂うんですよね」
彼らが楽しみたいから、という理由だけでビーチバレー対決を選ぶはずがない。
何か裏があるはずだ。
「……まだチョコレート匂う?」
「今まで何してたんですか」