第一章
「……、代わり?」
ルーティは上体を起こして。
――いるじゃないか。性格は違えど、一見すれば瓜二つの集団が。太陽光に弱いのが難点だが、彼らなら何とかなるだろう。
そうと決まれば、一か八か。
ルーティは携帯のアドレス帳に登録している、とある人物へと電話をかけた。
「……何だよ、いきなり」
その人物は、眠そうな声で電話に出て。
「あ、スピカ? 頼みがあるんだけど」
「ルーが?」
その人物とはスピカのことだった。
彼はダークシャドウという、対X部隊用に造り出された人間兵器を率いるリーダーであり、ルーティの幼馴染みなのである。
「えっと……さ。一週間、皆の休暇が貰いたいからダークシャドウとこっちの仕事の代理をしてって言ったら……怒る、かな」
――沈黙が、訪れた。