第三章



「チョコレートだ!」

またも誇らしげにリオン。

昨日作ったのでは固まってしまうだろうし、これも今朝作ったのだろう。本当、遊びの為には労力を惜しまない男だ。

「しかし惜しかった」

リオンは腕を組んでは残念そうに。

「負けたのがルーティ殿であれば、頭からチョコレートを被ってそのまま舐めプ」
「いっぺん死ね!」

語るリオンを遂に踏み倒すドンキー。

「よし、埋めろ!」
「変態には砂地獄の刑だ、かかれーっ!」

リオン虐めに参加するべくディディーとトゥーンはドンキーの元へ。何となく楽しそうに見えて、ピチカも駆け寄りながら。

「待って、僕もーっ!」


虐めたところで本人には快感でしかないというのに……ルーティは苦笑を浮かべつつ、ウルフと顔を見合わせる。

「野郎がいねえな」

ぽつりとウルフが呟く。……そういえば、ルーティに関してだけは反応の早いあの男が、この件に関して無反応だとは。

少し残念に思いながら見回していると。

「あっ」

すぐに見つかった。

少し離れた場所で両膝を付き、何かを探している。ルーティはウルフと顔を見合わせると、彼らの元へ向かうのだった……
 
 
 
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