第三章



「って、今朝採ってきたんかい!」

ドンキー、手の甲でリオンの胸板を叩いては芸人張りに突っ込んで。

「くだらねえ」

ウルフはふんと鼻を鳴らしてルーティに近付き、腕を掴んでは引っ張り起こす。

「じゃあ、僕のは?」

トゥーンのは運良く何もなかったとして、自分は何なのか。するとウルフは、ルーティの風船付きヘアバンドを取り上げて。

「あっ」


パァン!


どうやらウルフ、風船に爪を立てたらしい。驚き、ピチカはルーティの後ろへ。

「び、びっくりするじゃん!」

ピチカはすぐにルーティの後ろから出てくると、腰に手を当てて。続いて風船から出てきた液体を見つめ、小首を傾げる。

「……何これ?」

とろとろとしていて、甘い匂い。茶色のこの液体の正体って、まさか――
 
 
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