第三章
木刀はくるくると回転しながら少し離れた場所に突き刺さった。次いで逃げる隙さえ与えず、ルーティは足払いを仕掛ける。
「わっ……」
木刀が手元を離れたことで気が動転していたトゥーンはあっさりと引っ掛かり、砂浜の上に尻餅をついてしまった。
こうなれば後は簡単で、ルーティはトゥーンの風船目掛けて勢いよく斬りかかる――
ぱしゃんっ
当然、攻撃を受け止められるはずもなく、弾かれた風船は破裂。トゥーンは風船の中に入っていた液体を頭から被り、諦めたかのように仰向けになって。
「ぐあー……やられた……」
ルーティはその声でようやく勝利を確信して、へなへなとその場に座り込み。
「か、勝った……」
「あーもう。そういう作戦かぁ」
目隠しを外しては照り付ける太陽に目を細め、腕でガードするトゥーン。
微かに息を弾ませながら、同じくルーティも目隠しを外すと、照れ臭そうに笑ってはウルフへと視線を送って。