第三章



腰を低くして構え、回転斬りの体勢。

木刀の柄を握る手にぐっと力を入れ、勢いよく振り回す――が、次の瞬間。

「残念。させないよ」

鈍い音を立て、木刀は受け止められた。

この声は間違いなくルーティ。まさか、この砂埃が晴れる前に決着を……トゥーンは眉間に皺を寄せ、何とか押し返す。

しかし逃すつもりはないのか、ルーティは続けて斬りかかる。サポートが無い為にどう構えて受け止めるべきか分からず、こうなったら、と突きを繰り出すトゥーン。

「っ、う」

これが見事、ルーティの鳩尾にクリーンヒット。ルーティは後退、片膝を付き。

目の前にいることは確定だ。トゥーンはルーティが怯んだことを察すると、トドメとばかりに風船目掛け、木刀を振り上げて。

その時、ようやく砂埃が晴れた。リンクは膝を付いているルーティの姿を見つけると、同時に勝利を確信して。
 
 
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