第三章
「どうした」
ウルフは意地悪く笑って、
「顔色がわりぃみてえだが」
リンクは思わず睨み付けてしまうと、視界を遮る砂埃をじっと見守って。
――あの中の様子が分からず、命令も儘ならないのは相手も同じ。ここは下手に声をかけず、トゥーンを信じるしか……
一方、此方は砂埃の中。
「げほっ、何これ……す、砂?」
砂埃により咳き込み、口の中に砂が入ったのかトゥーンは舌を出して。
――気配は感じる。こうなれば後方に立たれていた場合の保険、そして砂埃を晴らす意味でもここは回転斬りしかない。
リンクが何も言わないということは、独断で動いてもいいということ……迷っている時間が長ければ長いほど、隙が生じる。
何もしないんじゃ、そこら辺で待ち構えているルーティに申し訳ないだろ?
――だったら、やってやろーじゃん!