第三章
――砂……!?
目眩ましのつもりだろうか。いや、トゥーンは目隠しをしているのだからそんなことは無意味だ……だとすれば何の為に。
ルーティは走りながらトゥーンとの距離が縮まると、木刀の先端を使って砂を大きく掻き上げて。大量の砂が、宙を舞う。
「ターゲットは目の前にいます! ここは引き下がらず、攻撃を!」
リンクの呼びかけにトゥーンは頷き、とにかく薙ぎ払う。ルーティは攻撃を躱すべく後退すると、高く飛び上がった。
「トゥーン! 上っ――」
その時である。
それまで宙を待っていた大量の砂が砂浜へと戻ったのだ。次の瞬間、砂が砂浜を叩き付けた衝撃で砂埃が舞い上がり。
まさか。
目眩まし、というのはトゥーンに対してではなく、サポート役のリンクに対して……だとすれば、この状況は非常にまずい!