第三章
しかしトゥーンはルーティが近付くのが分かると、咄嗟に左へ飛んで。結果、ルーティの仕掛けた薙ぎ払いは空振り。
「上手いですよ、トゥーン! 右手、一メートル以内にターゲット!」
大きな隙が生じたことを見逃さない。
リンクがそう言うということは打ち込めということなのだろう。トゥーンは一人頷き、木刀を構えてルーティの元へ駆け出す。
「ルーティ! 右だ!」
ウルフの声にルーティははっと右を向いて、木刀を構えた。耳を澄ます。
――微かに風を切る音。薙ぎ払い?
「くっ!」
読みは当たり間一髪、縦に構えた木刀がトゥーンの攻撃を受け止めた。
……しかしこのままでは埒が明かない。
リンクのサポートは完璧だし、トゥーンは機敏で隙も殆ど無い。そのまま体力勝負に持ち込むのはあまりにも危険すぎる。