第三章



やはり簡単には攻撃を通してくれないか、とウルフは小さく舌打ち。リンクはそんなウルフを横目にふっと笑って。

「トゥーン!」

リンクがそう呼びかけると、それだけでトゥーンは小さく頷き、最後力強く木刀を押し返しては大きく後方へ退いて。

ルーティも押し返されると若干よろめきつつも木刀を砂浜に突き立てて体勢を整え、正面のトゥーン目掛けて薙ぎ払う。

「右から来ます! 受け流して!」
「怯むな! 打ち込め!」

トゥーンは薙ぎ払いを木刀を縦に構えて受け止めると、そのまま流そうと試みて。

しかしルーティもウルフの命令通りそうさせるわけにはいかず、一旦流させたと思わせてからの大きな突き。ここは勘で、トゥーンは大きく背を反らして攻撃を躱す。

そこからバク転に繋いで後方へ。砂利を踏み込む音がルーティにトゥーンがまだ正面にいることを知らせ、再び駆け出す。
 
 
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