第三章
「貴方はすばしっこいですから」
一方のリンクとトゥーンは作戦会議中。
「初めは視界を塞がれた状況に慣れる意味も含めて、敵の攻撃を躱します」
リンクはトゥーンの後ろに立って目隠しをしてやると、続いて風船付きヘアバンドを頭に嵌め、ぽんと両肩を叩く。
「躱すだけ?」
「初めは。上手くいけば相手も自滅しますし、後半になれば体力を消耗しているはず……そこへ叩き込むって寸法です」
なるほど、リンクはよく特徴を捉えている。確かにトゥーンの場合は初めから攻めるより、そうした方がいいかもしれない。
トゥーンは「ふぅん」とさほど興味無いかのように返しつつも、やっぱり兄ちゃんは凄いと心の中では感心していた。
「両者、位置についてくれ!」
双方の準備が整ったことを確認してリオンが告げると、ルーティとトゥーンは木刀を片手にゆっくりと向き合って。