第三章



「両者、位置についてくれ!」

リオンが告げると、ロボットはゲムヲの元を離れて。ゲムヲは木刀を片手にゆっくりとカービィと向き合い、カービィは木刀を砂浜に突き立ててはにこやかに。

「さっさと始めてよ」

頷いたリオンは双方の位置を確認すると、片手を真っ直ぐ挙げて。

「よぅい」

振り下ろすと同時に、

「始めっ!」
「ゲムヲ。正面、二メートル先に目標有り。木刀、構えて攻撃に備えるデス」

開始直後、ロボットは早速淡々とした口調でゲムヲに告げて。ゲムヲは頷き、木刀を斜めに構えてゆっくりと後退する。

「……ふぅん」

ロボットらしい説明にカービィは再び木刀を肩に担いで考えていたが、何となく位置を把握したのか木刀を軽く振るい。

「カービィ! まだ出るな!」

ゲムヲが音を立てずに後退りをする中、メタナイトが静止の声を上げるのも聞かず、カービィは木刀を構え、駆け出して。
 
 
49/71ページ
スキ