第三章
「シャドウマリオだシャドウマリオ」
「いや寧ろ偽マリオ」
「ピーチは僕のママだ! って誰がクッパの息子だごるああ!」
指差し笑うトゥーンにとディディーに、マリオは思わずノリツッコミ。
「冗談でもあんたの母親とか寒気が……」
「我が輩も髭の生えた息子などいらんわ」
「俺もノーサンキューだよ!」
口々に呟くクッパとピーチに、マリオは休みなく突っ込み。しかしさすがに疲れたのか、暫く荒い呼吸を繰り返した後。
「……洗い落としてくる」
周りが未だに笑う中、マリオは大きく息を吐き出すと、とぼとぼと歩き出して。
「間違えて海に帰るなよー」
「誰がタコだ! つーかお前も来い! 除霊すっぞ阿呆!」
「誰が落武者だ!」
血糊を浴びたロイと、墨を浴びたマリオ。
がみがみとくだらないことで言い争いながら、海の家にあるシャワールームへ向かう二人の背中を、ルーティはくすくすと笑いながら見送って。