第三章
「や、謝れとかそうじゃなくてさ」
そんなに怒って見えただろうか。
苦笑を浮かべながら頬を人差し指で掻いていたその時、ふと、その手に付着している何やら赤い液体に気付く。
「え……」
試しに頭に触れ、手のひらを見てみると、そこには真っ赤な液体が付着していて。
「なっ」
ロイは顔を引き攣らせながら。
「なぁんじゃこりゃあぁ!?」
驚愕し、わなわなとその手を震わせていたロイだったが、咄嗟に対戦者であるマリオをきっと睨み付けると。
「よくも俺を殺しやがって! 呪ってや」
「ちげぇよ!」
マリオはハリセンでロイの頭を叩いて。
「兄さん、今何処から出したの」
預かった鉢巻きや木刀を手に、ルイージはマリオをジト目で捉え、溜め息。