第三章
「そっ」
ピチカは小さく声を上げて。
「そんなの駄目! 絶対駄目! 僕、パートナーはリムじゃなきゃ駄目だもん!」
彼女が必死で訴えている言葉は、その場にいる誰もが考えていたことだろう。
「ピチカったら」
リムは微笑み、ピチカの頭を撫でて。
「決まりだな!」
どうやら今回も不参加の者がいないと見て、リオンは満足げに声を上げる。
「では開始の合図を。……ローナ殿!」
「うげえっ、また僕ぅ?」
ローナは頬を人差し指で掻きながら露骨に嫌そうな顔をしていたが、咳払いをして。
「試される絆! ドキドキ! 恐怖の風船割り対決ぅ!」
ビーチフラッグ対決同様、開催の合図に拳を振り上げ、元気良く声を上げる。
「サービスカットもあるよ!」
「ねえよ!」