第一章
「風呂上がりルーティ、ゲットだぜ!」
と、いつの間にか密かに忍び寄ってきていたフォックスが、何の前触れもなく勢いよくルーティの背中に飛び付いて。
「うわっ!」
「石鹸の匂いぃ……っはー、幸せ」
有無を言わせずルーティのうなじに鼻を寄せ、くんくんと匂いを嗅いでは幸せそうに擦り寄るフォックス。まるで子供だ。
しかし、堪能する間もなくフォックスはウルフによって引き剥がされる。
「っ邪魔をするなよ、ウルフ!」
「暑苦しい。水風呂にでも入ってこい」
「んだとぉ!」と今度はウルフに飛びかかろうとするフォックスを、ファルコが肩を掴んで何とか阻止させる。
「水風呂は嫌だけどさぁ」
その時、話に割り込んできたのはロイで。
「川か海かプール! とにかく水に飛び込みてえっ……暑くて干からびるっつの!」
「干からびません」
すかさず、リンクが突っ込んだ。