第三章



「勝負は一対一で行う。先に風船を木刀で割った方が勝者だ! どうだ! 燃え」
「待って。風船の中身って何?」

ルーティが片手を突き出してリオンを静止させ、次いで風船付きヘアバンドの入った段ボールを指差しながら訊ねる。

風船は透明ではなく色とりどりなので、中身が透けてなみなみとしてることから、何か液体が入っていることしか分からない。

その液体の正体が問題なのだ。

「それは秘密だ」

リオンはあっさりと否定して。

「まあ、誤解を招きたくないので断っておくが……卑猥なものは使用していない」

……彼はそう言うが、だからといって卑猥と見て取れるものを使用していないとは言っていない。つまり、安心は出来ない。

「俺は今度こそ参加しねーぞ!」

声を上げたのはネロである。

液体、といえばただの水ももちろん含むので、警戒してからこその発言だろう。
 
 
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