第三章
「何で俺まで……」
続いて、ぶつくさと呟きながら現れたのはネロである。彼の抱えた段ボールの中には、木刀が沢山入っていて。
「風船付きのヘアバンドに、黒い鉢巻き……それに、木刀?」
ルーティはそれぞれの段ボールの中を覗き、疑問符を飛ばしながら小首を傾げて。
「考えたな。となればパートナー制か」
「その通り」
ウルフは何となく察したのか、興味深そうに腕を組んで。リオンはふっと笑い。
「ルールは簡単。一人がこの風船の付いたヘアバンドを頭に装着し、目隠しをして木刀を構える。もう一人、そのパートナーが呼びかけでサポート」
どうやらこれは、動く的を相手にした一種のスイカ割りのようなものらしい。
それにしても、リオンにしてはまともな遊びである。何か裏があるとすれば、風船の中に入っているあの液体……