第三章



「いやあの、友達待ってるんで」
「てか何歳?」
「十六です」
「わっか! 超年下じゃん!」

急に訊ねられるものだから、思わず答えてしまった。……それにしても、何でこうチャラチャラとした連中は“超”とかを必要以上に使いたがるのか。

気にしていても仕方ない。同じ金髪でも、自分がああなるつもりは無いのだから。

「あっち! とりま海の家行こっ!」

ゲムヲは喋らないで待機しているし、ルーティはこういった連中の扱いに慣れていない。それを知ってか知らずか、ギャルがルーティに手を伸ばした――その時。


ぱしっ


ギャルの手は何者かによって掴まれて。

「へっ? 誰?」

ギャルの声にルーティが恐る恐る顔を上げると、そこにいたのは見知った男。

「え、何か生えてるんですけど」

ギャルはぽつりと呟いて。
 
 
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