第三章
次々と被害者は続出していき、ビーチフラッグ対決も中盤に差し掛かった頃。
「次」
「どうでもいいけど坦々と進めるな」
「面白い出来事は効率良く続けるものよ」
既に何人か膝を抱える中、シフォンはネロのさりげない呟きをにこやかに返して。
「……、どうした? ルーティ」
そんな中、ルーティは一人落ち着かずにいた。早々に立ち去ってしまって以来、ウルフがこの場に戻らないのだ。
ウルフを探してそわそわと落ち着かないルーティに、ソニックは怪訝そうに声をかける。ルーティは肩を竦め、苦笑すると。
「えーと……僕、かき氷買ってくる!」
「ちょ、財布――」
ソニックが静止の声を上げるのも虚しく、ルーティは皆の荷物が置いてあるビーチパラソルへは立ち寄らず。つまり財布も持たず、真っ直ぐ海の家へと走って向かい。
「……やれやれ。慌て者だな」
ソニックは短く息を吐き出して。