第三章



「もっ……ば、駄目……っ」
「兄さ、笑っ、笑ったら失礼……」
「喧しいわ!」

クッパという人物を長年相手にしてきたマリオやルイージにしてみれば、その光景が特別面白く映って見えて。

故に双方腹を抱え、それでも必死に笑うまいと堪えていたのだが、クッパにとってはそれが余計不快で、声を荒げて睨み付け。

「これは録音しとくべきだったわね」
「一生もんの恥ですぅー」
「んがぁああああっ!」

ピーチとヨッシーがくすくすと笑いながらからかうと、クッパは遂に頭から湯気を噴き出し、海へ向かって駆け出して。

とはいえ、これが敗者の屈辱か。

端から見ているだけでも、自分が負けたらと思うとぞっとする。ルーティはソニックと顔を見合せると、改めて苦笑して。

――それよりも、次の対決は。
 
 
22/71ページ
スキ