第三章
「取ったど」
「やめんか」
手に入れたフラッグを高々と掲げ、聞き覚えのある台詞を口にしようとしたフォックスを、走ってきたクッパが飛び蹴り。
……どっちが勝者なんだか。
「フォックスー、何て書いてんだー?」
ソニックが問いかける。
砂浜に倒れ込んでいたフォックスはむくりと起き上がると、付着した砂を払いながら立ち上がり、フラッグの内容を確認。
「“敗者は猫の真似をして可愛らしく敗北を認めろ”……だってさ、クッパ」
その瞬間、誰かが吹き出して。
所々でくすくすと笑う声が聞こえ、クッパはまだ実行してもいないというのに戸惑い、頬を赤らめフォックスを睨み付けて。
「わっ我が輩は大魔王なんだぞ!」
当然、簡単に実行するはずもなく。
クッパは勢いよくフォックスを指差すと、誰がしてやるものかとぷいと顔を背けて。