第三章



「位置について」

すっとシフォンが片手を挙げると、フォックスとクッパはそれぞれフラッグに背中を向けて、砂浜の上に腹這いになり。

「よーい……」

二人は少しだけ腕を立てて構えると。

「どんっ」

その声を合図に、二人は立ち上がりながら振り向き、フラッグ目指して駆け出す。

双方、同じ速度だったが。

「フォックス! 頑張って!」

ルーティとしてもフォックスの格好悪いところは見たくないのか、片手を振り上げて応援。狐耳がぴくんと反応を示す。

「負、け、る、かあぁああ!」

次の瞬間、フォックスの瞳に燃え盛る炎が映し出され、まさかのスピードアップ。

クッパがその変化に驚く間もなく、フォックスはぐんぐん追い抜かし、そして遂にフラッグ目掛け、勢いよく飛び込んだ。
 
 
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