第三章
「おーい、ファルコー?」
次にクッパと対決を行うフォックスは、口端に手の平の側面を添えて固まっているファルコに不思議そうに呼びかける。
「……しっ」
ファルコの頬はいつの間にか赤みを帯びていて、フラッグ握る手を震わせながら。
「“勝者は女王様スタイルで敗北者を踏みつけろ”……だとぉ……!?」
当然、辺りはざわついて。
踏みつけられる予定のユウ。何故か彼だけは冷静に、ふんと鼻を鳴らして。
「出来ないのか。つまらない男だ」
「なっ」
どっちが罰ゲームなのか分からない。
女王様スタイル、というのだから適当に貶しながら踏みつければいいのだろうか。
「っ……じ、上等だぜ」
覚悟を決めたらしいファルコは砂の地面を踏み鳴らし、ユウをビシッと指差して。
「まずは跪け! 下僕!」