第三章



……というわけで。

「初回限定! 大人の! ドキドキビーチフラッグ対決ぅ!」

ローナが開催の合図に拳を振り上げ、元気良く声を上げる。周辺にいた子供組、ルーティやソニックも拍手を送って。

「俺、今日ほど自分が十八歳未満ってことに歓喜したことはなかったと思う」
「あはは……、僕も」

ソニックとルーティは拍手を送りつつも、互いに苦笑を浮かべてこそこそ。

「全員参加か! 積極的だな!」

まさか、自分に日焼け止めが塗られるのが嫌だからと大人組が参加していることなど、ポジティブなリオンが知る由もなく。

「しかも一番最初かよ……」
「文句を言うな」

初めに対決を行うのはファルコとユウ。

当然ながらファルコは嫌そうな顔だが、ユウは既に諦めているのか、その先の砂浜の上にぽつんと立ったフラッグを見つめる。
 
 
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