◆プロローグ



地球から何億光年も離れた場所に位置する、惑星フレイアム。地球にほぼ似た外見であるその星は、様々な種族の人間が共に手を取り合い、時には争い、暮らしていた。


――天空大都市レイアーゼ。


他国よりも最も文化が進んだ、言わば近未来都市であるこの場所はこの星の中枢。

今や全世界を取り締まっているこのレイアーゼを守るべく、作られた特殊防衛部隊……それがＸ部隊なのである。


彼らＸ部隊が拠点としているエックス邸は、街から少し離れた森の手前に静かに佇んでいる。……最も“外見は”だが。


「そっちに行きましたよ！」

食堂。リンクが声を張り上げると、マリオはハリセンを振り下ろして。しかし、ターゲットは華麗に宙を舞い、そして。

「マルス！」
「えっ」

ぴたり。マルスの頬に、張り付いた。


「ぎぃやああぁあああ！？」


――これは、普段はお目にかかれない戦士達の一週間を綴った物語である。