第三章
仕方なく、危険は承知でゴンドラに掴まり、よじ登る。すんでのところで伸びてきたリンクの右手を躱し、ディディーは一息。
――しかし、これで終わるはずもなく。
リンクは一つゴンドラを見送った後、ディディーと同じように次のゴンドラの上に飛び乗ったのである。座って安堵していたディディーは、思わず立ち上がり。
「おいおいおい! 冗談だろ!?」
一体、何度驚かせるつもりなのか。
ディディーは思わず声を上げると、足バネにして高く飛び上がり、真上のゴンドラを繋ぐ鉄骨に両手で掴まる。
体を揺らし、反動を付けてゴンドラの上に飛び乗ると、それを見上げていたリンクは同じようにゴンドラに飛び乗って。
ディディーが顔を顰めていると、間もなく、ゴンドラは天辺に差し掛かり。
そこから見える景色は色彩豊かで美しく、天下一品に例えても過言ではなかったが、今はこの状況。楽しむ余裕など無い。