第三章
速さは同じくらい。しかし、行く宛も無いのにもたもたしていては、直ぐに捕まってしまうのは明白。……ここはやはり。
「トゥーン!」
ディディーが声を上げてピチカの手を離すと、反射的にトゥーンがピチカの反対側の手を掴んで。そのまま走りながら、ディディーはトゥーンとピチカを見つめると。
「お前、ピチカを連れて逃げろ!」
「馬鹿! 何死亡フラグ立ててんだよ!」
簡単に賛成出来るはずもなく、トゥーンは声を荒げる。ピチカも賛同するように頷いて。しかし、ディディーは。
「うっせえ! 馬鹿言うな!」
そう言って振り返りつつ立ち止まり、向かってくるリンクを睨み付けながら。
「ここは俺に任せろ!」
トゥーンとピチカは少し行った先で思わず立ち止まると、振り返り。ディディーは振り向くと、人差し指を立てて。
「これ、リーダー命令だから」