第三章
思わずその場に留まる五人。
リンクは高く飛び上がり、右手を突き出して飛びかかる。咄嗟に五人は散り散りになって躱し、リンクの右手は何も無い地面へ飛び込む。その瞬間、地面は深く抉れて。
危険を察知し、ネスはリュカの手を掴むと走り出した。驚き、硬直するピチカを先導するように、ディディーが手を引きながら駆け出す。その隣をトゥーンが駆けながら、一旦振り返り、リンクを見つめて。
「っどうすんだよ!」
「知るか! とりあえず逃げるしかっ」
焦るトゥーンに、ディディーは苛立ちの声を上げる。その間にもリンクはゆっくりと立ち上がり、ネスとリュカ、ディディーとトゥーンとピチカ、二方向に分かれた双方を交互に見遣って。
やがて、ターゲットが決まったのかリンクは駆け出した。その視線の先には――
「っやば、来た!」
ディディー、トゥーン、ピチカの三人。
気付いたトゥーンが咄嗟に声を上げると、ディディーとピチカは試しに振り返って。