第三章
それは紛れもなく、リンクだった。
厳めしい鬼の仮面で顔を覆っていて、一言も発しない。トゥーンは眉を顰めた。
「兄ちゃんに何をした!」
声を張り上げる。
リュカは怖がってディディーの後ろに隠れてしまい、五人は共に警戒心を高めて。
「彼は鬼に選ばれた。取り戻したければ、立ち向かうといい。……ただし、このゲームのルールを忘れてはいけない」
ベンゼルは楽しそうな口調で。
「鬼に捕まれば、罰を受けてもらう。つまり、どうすれば鬼役の彼を助けられるか……それをよく考えながら、逃げるといい」
鬼の仮面を被ったリンクが一歩踏み出し、五人はじりじりと後退。姿を探すように、きょろきょろと目を動かしながらネスが。
「罰って、どういうやつだよ」
ベンゼルは笑って。
「試すかい?……なら、捕まってごらん」
次の瞬間、リンクが駆け出した。